神々しいほどの朝陽がふりそそぐ11月8日(金)午前8時、参加者35名を乗せたバスは、一路、岐阜県海津市歴史民俗資料館に向け出発しました。
高須城を模した資料館では、指導員の服部さんが木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)が合流する海抜0m地帯で、水害を防ぐ為、周囲を堤防で囲んだ集落「輪中」について詳しく説明して下さいました。
今日に到るまでの歴史は鎌倉時代に始まったが、その後もしばしば大洪水に見舞われ、特に長良川は「暴れ川」と呼ばれ、人々の生活をおびやかしました。江戸幕府は当時力のあった薩摩藩に命じ多くの人々と財を投入させ、堤防をつくり洪水を防ごうとしました。その壮絶な工事は筆舌に尽くしがたいものがあったそうです。明治に入り、オランダ技師ヨハネス・デレーケの指導による護岸工事で三つの川がきちっと分散され現在に至っています。
輪中に生活する人々の知恵と努力(石を積み上げて造った水屋、上げ舟による水害時の移動、道具類や作物の保管方法・土を掘って土を積み上げ「堀田(ほりた)」を作り、掘ったところの水路「堀(ほり)つぶれ」を船で米作りをするなど)話を伺えば伺うほど、頭が下がる思いでした。参加者の皆さんも数々の質問をしながら熱心に見学をしていました。
木曽三川公園展望タワー、地上65mから眺める三川はおおらかに雄々と流れ、人々の苦難の歴史をも飲み込んでいるようでした。
今年は強烈な台風が襲来し、各地で多くの河川が氾濫し甚大な被害がでました。水没した家屋を見るにあたり、今も防ぎようのない状況があるのだなと胸が痛くなります。先人の知恵や努力があっての今日ですが、いつどのような事態になってもみんなで助け合って生き抜いていく、これはいつの世も変わらないと思います。
快晴にも恵まれ中身の濃い学習会、そして楽しい1日を共に過ごして下さった参加者の皆さんありがとうございました。
|